再びダンテ『神曲』を読む!

 再びダンテ『神曲』を読む!
最初に読んだのは何年前だろうか?内容は殆ど憶えていない。当時の私は内容よりも読破することだけが目的で読んでいたのだろう。
 再読していると、突然!ロダンの地獄門の彫刻を思い出し、連動してミケランジェロのシスティーナ礼拝堂の壁画『最後の審判』を想い描くと今までとは違った西洋絵画の解釈が出来るようになって楽しくなって来た。
1300年代に書かれたこの長詩が西欧美術や思想の源流となり現代まで続いている事実に改めて感動する。
原題は『神聖喜劇』だがダンテは最初この長詩を『喜劇』と題していたのが、いつの間にか日本では『神曲』となり、どこか重厚で重苦しい、しかし、『喜劇』と題して読んでみると違ったイメージが彷彿し、ボルヘスの云う快楽主義の読者として読めることに納得がいく。
 数年前から美術学生の様に美術解剖を学習しているが、そればかりだと何処かパサパサして味気ない。今、苦悶し叫ぶ煉獄や地獄の亡者達を様々なポーズをイメージしてスケッチすることは、不謹慎だが非常に楽しみを覚える。
キリスト降誕以前の洗礼を受けていない(未洗礼者)偉大な詩人達も辺獄(リンボ)にいると云う説明にはどこか納得いかないが、キリスト教圏の思想が垣間見へて興味深い。

今日はChristmas!未洗礼者達の我々もキリストの降誕祭を祝いコーラやシャンペンを飲み、ケーキを食べる姿をダンテはどんな顔をして見ているか興味が尽きない。が!『神聖喜劇』と思えばこれも良しとすることだろう。

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