美の流れ



「美の流れ」
 
気がつけば更新が4ヶ月ほど停滞していた。今年5月からの「お寺で人体講座」の準備と実技練習で殆どこの4ヶ月忙殺して、制作も思うように進んでいない。
やっと人体講座の第一ステージが終わり、次回の第二ステージの準備に追われているが、講座のリズムも良くなって少し余裕ができたので、この4ヶ月間考えたことや実行したことを書き少しづつ進めていこうと思う。
 「お寺で人体講座」を始めたのは、CG業界で働く教え子達が美術解剖学を学びたいとの要望があり、此方も殆ど独学で学習した美術解剖学を試してみたい気持ちもあって、会場を探していたら、偶然にも近くのお寺の住職がなんと20数年前の友人だったこともあって急遽「お寺で人体講座」を始めることになった。本当に寺子屋のようだ。
 遠い学生の時は、敬愛する西田正秋先生の特別講義も殆ど寝て、いまさら人体学習なんてと思っていた不良学生が今や若い学生や社会人に拙い講義をしていると云うおかしな現状になっている。

 今何故、CG業界で美術解剖学が盛んになり始めたか
大雑把に云えば西洋美術史の流れは、ギリシャを親として、遠近法・光学・美術解剖を母体に科学的根拠を拠り所に客観的美術を確立し19世紀の産業革命まで流れてきた。 
その産業革命の財産でもある、写真の発明でその科学的根拠を喪失した。
その頃日本からの浮世絵の流入で客観的根拠から主観的美術へと開花し今日の現代的美術まで駆け上ってきた。 
 更に現在は、コンピューター(CG)の出現で喪失したはずの遠近法・光学・美術解剖が再度見直されてきた。
最先端技術の分野で、またギリシャの美の流れが必要となってきたのは面白い。 
これもアルビン・トフラーの唱えた「第三の波」の現象だと考えると時代の変転や価値観の変化を 痛切に感じる。
 今こそ遠近法・光学の学習にデッサンの必要性を説く時代に入り、更に美術解剖学を学ぶ時代に来ていると思う。 

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