林で書いた詩 伊藤整

森の奥深くにある隠された祠の中、賢者エルモスは彼の古い書斎で静かに時間を過ごしていた。この場所は、彼の何世紀にもわたる知識の宝庫であり、壁一面には古い書物が並び、時間の経過とともに色褪せた魔法の文書が散らばっていた。

エルモスの長い白い髭は、彼がページをめくるたびに軽く揺れ動き、彼の深い目は文章を追いかけ、知識の海を航海する船長のように冷静で集中していた。書斎には常に微かな煙草の香りが漂い、孤独ながらも満ち足りた空気が充満していた。

祠の中で、賢者は時の流れを忘れる。エルモスは新しい呪文を編み出し、失われた古代の知恵を解読し、そして時には星々の配置から未来を占う。彼の仕事は、森とその外の世界が直面する数々の問題に対処するためのものだった。

ある晩、エルモスは特別な文書を手に取った。それは古びた革で縛られ、奇妙な符号で記されていたが、賢者の目にはそれが何世紀にもわたって失われていた叡智を含むものであることが明らかだった。彼はゆっくりとその封を解き、部屋は突然、古代の力に満ちた静かな光に包まれた。

文書から現れたのは、森自体の心臓部からのメッセージだった。このメッセージには、人々と自然との調和を取り戻し、破壊された土地を癒し、長い間忘れられていた魔法を復活させる方法が記されていた。賢者エルモスは、この大いなる任務に生涯を捧げることを決意し、その古文書は彼の新たな旅路の地図となった。

エルモスの書斎は静かでありながら、冒険と発見に満ちた世界への扉である。そして、この日もまた、彼の知識の探求が、森とその外の世界に新たな希望の光を灯すこととなる。